2003 10 05  

6・ROCKはARENA CONCERTへ

―――大きな会場がお約束に―――

 「高潔なる武道館を、汚らわしい音楽に貸すなどとけしからん」という声はいつ頃から聞かれなくなったのだったかしらん? よく覚えていましぇん。きっとプロモーターが献金とか上納金とかがたっぷり差し上げて「ROCKは儲かる!」ってわかった時からかなぁ〜? きっと世の中そんなもん。
ROCKは当たり前のように広い会場(といっても武道館くらいしか無かったけど)でやるようになりました。でもグループによっては“寒い”こともあったっすね。
T-REXのMark Bolanは、“GLAM ROCK”という化粧したいわば元祖ビジュアル系ともいえてとても美しいという振れ込みだったけど、見たらガックリ、チビで太目でぴょんぴょん跳ねながら歌いカリスマ性全然ナシ、道化のようでしたわー。パーカッションのMicky Finnの方がいい男だったり(最近亡くなったよう。二人に合掌っすね)。音もあの会場でスカスカで持たなかった感じ覚えてる(今思うとカラオケだったかも・・?)。イギリスのバンドの“ギミック系”(と私は勝手に呼んでいる。“仕掛け”系ってことだわ)を初めて感じたかもしれないっすわー。
これは悪口ではなく(よく出てくるフレーズになっちまいました)、早い話、初めはちょっとした実力や音楽センスやグッドルックスやちょぴっとカリスマ性があったにしろ、それをオーバーにフィーチャーされたら音楽的基礎体力の無い場合はすぐ破綻するじゃあありませんか(これはROCKだけのこととは限りませんが)。
今だにその体質は何だかイギリスは多い感じするのね。いちいち思い出せないけど、ADAM & the ANTS とかHOWARD JONES、JESUS JONESとか、最近だとKULA SHAKERとかVERVEとか(ずい分とワープしてますが、ただ思い出したの挙げてる
だけ)“一発屋”(ヒット1〜2,3曲or アルバム一枚ポッキリで終わるって感じ)って結構あったじゃないっすかねー。 「ROCKは儲かる!」だから仕掛けりゃいいさ、で、何だかそういう抜け目ない英国体質の胡散臭ささを感じて、その後私は骨太の(?)AMERICAN ROCKへハマったのかもしれませぬなぁ・・。
ま、しかしもちろん素晴らしい人達も居て、70年(たぶん)のLED ZEPPELIN(日本武道館)、こらースゴかったっす! 歴史に残るコンサートでしょうなー。Robert Plantの“切り裂き”ボーカルも、っすが、何と行ってもJimmy Pageのカッコよさと言ったら絶句!でした・・・。ルックスもですが、バイオリンの弦でギターを弾くなどアバンギャルドな試みとかも、すげー!、と、初めてこんな刺激的な雰囲気と音で興奮したっす!
ミーハーな私は、さっそくJimmyが着ていたような細身のヘリンボーンツィードでピークドラペルの膝丈コートに近いものがBIGIにあったのでゲットして、長めのカーリーヘアとベルボトムジーンズに合わせ、Jimmyの真似して悦にいってましたわ〜。
当時は倒れんばかりに細かったJimmyですが、90年に、WHITE SNAKE(その前はDEEP PURPLE)のDavid Covedaleとジョイントコンサート(千駄ヶ谷体育館)、ああ見なきゃよかった、というより笑いましたが、デブデブに崩れた上、顔も同一人物と思えんくらい変形してましたわ・・。David Coverdaleがスリムな上、白いハムレットのようなブラウスに黒のレザーパンツという“ROCKの様式美”を保っていたのと対比がすごかったし。
あと、異色でフルートが入ってインテリくさいJETHRO TALなんかも武道館で寒かったと。彼らのは一曲しか記憶にないってことはやっぱ“一発屋”だったってことで。
そして、最初の巨大野外AENA ROCK CONCERTといえば、70年(だったと)後楽園スタジアムのGRAND FUNK RAILROADでしょう。これは今聴いても正統派アメリカン・ロック、単純でええわ〜! これも歴史に残るコンサートとなったのは、開演前に土砂降りで大粒の雹(ひょう)が振ったす。もちまだドームじゃないからズブ濡れ、そいでもってそういう時って人間原始が目覚めてコーフンするのねっ!って、初めて知ったわね。だから日本では“WOODSTOCK Concert”に匹敵するくらいのたいへんなことだったのではないかと。音とノリのマッチング最高っした(と思う・・・)。
音楽としてもHEAVY METALの親(?)といわれてもいるけど、ボーカルのMark Farnerも、当時センターパートのストレートロン毛、コンサートの時は上半身裸(初めて裸になった人かも)、ネイティブ・インディアンのようでそら〜Axl Roseのお父さんのようでカッコよかったっすわ〜。
で、数年前MTVで見てしまって、思わず目を伏せたくなったっすが。似ても似つかない短髪のただの田舎のデブ・オヤジになってたっす(涙)。
いや〜、ROCK ミュージシャン、変わるな太るな(デブデブ言ってますが、私は実はデブ男性が嫌いではないんす、^^;)年取るなとは申しませんよ。でもね・・、また出てくるならばせめて“原型”や当時はあったはずの“カリスマ性”の片鱗は留めてほしいっすよね・・。味付け変わってもいいからいい感じになるとかさぁ。シブく歳とってくれい〜、夢壊さないでくれぇ〜い、って。でも、ま、最近じゃ「どれどれ、どのくらい変わったんだろうかい?」なんて、結構ドライに悪趣味っぽく楽しんで見てたりもしやすが・・。