2003 10 05  

4・LIVERPOOL SOUNDの来日

―――ロックコンサート時代到来―――

  LIVERPOOL SOUND またはMERSEY BEATと言って、BEATLESを筆頭として、勇躍世界にイギリス製の音楽を知らしめたムーブメントの総称をこう言いました。まあBEATLESの生まれ育ったしがない港町Liverpool、そこに流れていたのがMersey河ってわけね。
 何せ60年代前半にMary Quant がミニスカートを発明するまでは、イギリスという国はカビ臭く超コンサバで、トレンドエッセンスなんて皆無のイメージだったんだから〜「ファッションも!」「音楽も!」って世界に知らしめることにもなった快挙には、そらー女王陛下だって勲章も出すわな(Mary QuantにもBEATLESにも)。
―――っていうか、BEATLESに勲章出して世論は賛否両論だったけど、多大な外貨獲得とか莫大な税金収入とかが判断基準と思うと、とてもわかりやすい現実的な英国皇室体質は昔からってわけっすね。
 そして、最初に来日したグループはPeter & Gordon(新宿厚生年金会館)というデュオ、そら〜イギリスのものなら何でも見に行きましたわ〜。で、ヒット曲は“A World Without Love"(愛なき世界)。この Peter Asherっていう赤毛でイケテナイ眼鏡男(私さー、あのおバカ米映画「Austin Powers」は彼のルックスをパクってるんじゃないかと思ってます)の妹が、Jane Asher と言って当時のPaul MaCartney の話題の恋人だった。貴族の生まれでTV女優、赤毛のストレートロングヘアに美人じゃないけど可愛らしい顔立ちとミニスカートの似合うスリムな体型は、そら〜憧れましたわ。このデュオは2〜3曲で消えましたが、その後Peterはアメリカに渡りプロデューサー(JamesTaylorやRinda Ronshutat)として大活躍だけど。
 あとは順番はちゃんと覚えてないけど( )内は見た場所。Honeycombsは、女性ドラマーが売り(後楽園リンク)、Herman's Hermitsは、とってもPOPでかわいい曲が多かった(厚生年金会館)、Holliesは、ボーカルのハーモニーがきれいで、どうでもいいけどCrosby,Stills,Nash&YoungのGraham Nashがいたバンド(厚生年金会館)、Animalsはソウルフルな大好きなグループ、初めて“追っかけ”体験(渋谷リキパレス、ってあの力道山のプロレススタジアムあったんだよ〜)、と、もう来たものは必ず見てましたわ〜。
 あと来なかったけど好きだったのは、Dave Clark Fiveは、ハンサム揃いのこぎれいなルックスだが音は黒っぽくR&B系。Kinksは、伝説の・・っていう。(でも90年代に初来日・郵便貯金ホール行ったわ。昔の名前で“営業”してる感じ否めず。そらそうだわ〜)、Yardbirdsは、大好きなJeff Beckがいたグループ。Small Facesは当時の“Modsファッション”の権化みたいなカッコもんのグループ。同系で、今でも有名なThe Whoもいたけど初期はあましパッとしなかった、などなどいろいろありましたっすね。
 Manfred Mann、Spencer Davis Group(Steve Winwoodがいた)、Procol Harum、なんかいい曲ありまったけど“一発屋”でしたな・・・。今も引き続くイギリス系のROCKの“基礎体力の無さ”ってこの頃からだった、ってかなー(このことはまたいずれ)。
“初追っかけ”したAnimalは、"A House Of Rising Sun"(朝日のあたる家)で有名っすね。ソウルフルなサウンドにシビれてコンサートは全部見て、ホテル(高輪プリンスに親戚がいたので親が許してくれた)まで行ってボーカルのEric Burdonに(昔から面食いじゃないっすね・・^^;)サイン(初サイン!)もらったりした。
 Animals の音はかなり黒っぽい要するにSTONESの流れを汲むR&B系のROCK。すんごい好きでしたわ〜。彼らの"Bright Llights Big City"“Bring It On Home To Me”なんていう渋いBLUESの名曲がお気に入りだった高校生なんてやっぱ誰にも相手にされないよね・・(涙)。
時はワープして2001年のLA のHouse of Blues、<二人のおしゃべりVol.25 ヨコモリのL.A.出張 >にあるように、Eric Burdonのライブ、ン十年ぶりに怖いもの見たさで行ったっす。でもBLUES系は年取っても味が出て“つぶしが効く”もんだなぁ、と。もともとルックスで勝負してないタイプだから趣味の悪いアロハ着てた以外はあんまし問題無いし、結構いい味してましたわ。
 ところで誰でも初めて見たコンサートっていうのは、覚えているもんすよね。私はBEATLES以前の中学生の時、おマセなお友達にチケットがあるからと、当時アメリカの国民的人気の優等生歌手 Pat Boone(Debbie Booneのパパ) を厚生年金会館で見たのが最初でした。ガイジンでライトが当たってて「お人形さんみたい・・」という印象。でもトレードマークのブルーのジャケットと白いsuede shoes のコーディネートがイケテナイと思った記憶があるのは、やはりファッションに既に興味あったんすかね・・。
 二つ年下の弟(現在姪つきで同居)も傾向は違いましたが“洋楽好き”でした。私ら兄弟は今でも「似て非なる」の逆と言うか、タイプも性格も違うけど「非なんだけど似てる」っていうのか。好きなもの違ってもやること一緒みたいな感じ(?)かも。
 彼は、もともとモノホンのR&B好きだけど基本的にノンジャンルで、ある意味でミーハー(じゃあ同じ、ってか)。東京は新宿区に生まれ育ちましたが(新宿っていっても住宅街)、中学生当時、夜コンサートに行くなんざぁたいへんなことでしたから、父親が厚生年金会館の前に車で迎えにきているか、すでに体だけはデカかった弟が一緒だったら、ということもあって結構コンサートは一緒に行ったのだったわ。
これ書くにあたって、弟につべこべ取材してたら「よくうちの親、そんな行かしてくれたもんだよな〜」と。いろいろ亡き父にわだかまりのある弟ですが、今頃になってちょっぴり遠い目になってたかも。
 で、二人の記憶を掘り起してみたら、あの今でもやってる“お達者”VENTURES、それよりカッコよかったASTRONAUTS、伝説のBEACH BOYS、R&BではFOUR TOPS、 TEMPTATIONSなどなど見に行ってて『化石』発掘ザクザクでしたわ〜。
★ KINKSのバッジは当時のものではないけれど。