Vol.2

2000/09/22UP

Y:こないだはミラノからフィレンツエにも出張したんだけど、もう、あつこさんたら 「行きましょ、行きましょーっ!」って、すごい勢いだったわよね。
O:だってだって、今のところあのEmilio Pucci(Via Ricasoli,36r)のショップは、世界中にフィレンツエにしか無いんですもーんっ!! 
Y:というわけで、仕事はまず置いといて欲望のおもむくまま、ホテルにチェックインして即、タクシーとばして行ったわけよね。
O:そう、とにかく最優先事項!って感じ。
Y:でも意外と小さくて、カワイイなごめる感じのお店だったね。


O:そうね、でも今までこんなにいっぱいのPucciを見たの初めて〜〜!! 奥に夏物のオフ・プライスはあるわ、スカーフは山ほどあるわ、見たこと無いようなものとかもいっぱいもあって、もう二人でとっかえ引っかえキャーキャー盛り上がっちゃいましたわねー。
Y:うん、お店に私ら二人しか居なかったからもう貸し切り状態だったし。カワイイオバチャンの店員で、気取ってなくていい感じだったし。
O:あのね、「あなた達みたいに楽しそうに買い物してくれる日本人は初めてよー。」って、ニコニコとても嬉しそうに言ってくれたんよー!
Y:だって盛り上がるわよね! 今までアンティークのお宝クラスのものしかお目にかかったことしか無いのに、新品であんなに目の前にドッチャリだとねー。それにスカーフは思ったより高くなくて386000リラ(約21000円くらい)だから向こうでのエルメスと同じくらい、今だったらエルメスより全然エバれるじゃない? でもね、私は60、70年代にちゃんと棲息(?)してたから手放しにはなれないのよん。だって当時はなんていうか“リッチでスノッブでエレガントな悪趣味”っていう印象かな、すごい特殊なイメージだったから。でもそのハズれ加減っていうのは今も生きてて「何で、こんなもんつくるのかしらん?」なんていうのも結構あったじゃない?
O:うんうん、おねーちゃまなんか見ながら「も〜、私にプロデュースさせてくれれば、もっとカワイイもんつくるのにいぃ〜」なんてブツブツ言ってなかったー? 結構スカーフの選び方も難しいかったわ。お互いの意見を聞きながら珍しく慎重に選びっこしたもんねー。
Y:見れば見るほど超強力なグラフィック・センスだから、柄と色に負けちゃったり、ただの悪目立ちになりかねないもの。結局いっぱいあってもスカーフはお互い2枚づつしか選べなかったね。
O:もっと欲しかったのにー! でも私はシルク・ストレッチのプリント・ワンピ! それも半額!!でゲットできてすんごいシアワセー!!
Y:あれはいいお買い物でしたね。でもあつこさん、その中途半端なロング丈、そのまま着ると60年代の赤坂のナイト・クラブのホステス(?)になっちゃうから、そこのボーダー柄んとこうまくカットしてひざ丈に直した方がいいよー。
O:ええっ! そんなこと言われたって意味わからないよお〜! そぉお〜、このまんまじゃダメ〜? ま、プロのアドバイスだから聞くとしますか。
Y:スケスケのナイロンにプリントのノースリーブもバッチシだったよねー、安かったし! すんごい掘り出しものって感じ。
O:10月には私の地元、ミラノにもショップが出来るのよー! もう超・楽しみっす。
Y:あとさ、街歩いてていきなし目が点のものがあったよね。
O:そう、おねーちゃまが急に立ち止まったと思ったら顔がマジで「ねえねえっ、ちょっとこれ見てっ!」って。
Y:数字にヨワい横森なので、叫ぶ前に3回くらい目こすって見直してたのだ、ホントは、リラはゼロが多すぎてわかりにくいんだもん。パシュミナ・ストール60000リラ(3300円くらい)「ウッソーーー!!!」って感じで。
O:いきなし二人ともアヤしい店(というかオミヤゲもの屋っぽい)に吸いこまれちゃったわよね。
Y:で「本物のわけないよね」とか言いながら触ったりニオイ嗅いだり(?!)。
O:結論から言えば、二人ともいっぱい買いました!! オミヤゲにもいいと思って。
Y:自分用もでしょ! 結論から言えばアクリル混。アクリルっつーのはもともと一番カシミアに似せた繊維(本当です)だからですね、ま、正しいニセモノっていうか。
O:おねーちゃま、帰ってからフリンジの先をライターで燃やしてましたねー?
Y:そうです、確かめたのです。化繊は燃えると溶けて固まり、ウールは灰になってニオイも動物っぽいのですよ。
O:さっすがープロ、この道ン十年!
Y:でもさー、堂々と<ITALIAN PASHMINA >パシュミナ50%・シルク50%・産地FLORENCEとまで書いてあるの、もうカンペキ、ジョークよね! このITALIANってタイトルはインチキっていう意味になっちゃうってこと?!
O:ったくー、イタリアって昔からそういうペテンくさいイメージあるしー。でも色がカワイかったし、そういうエピソード付きのおみやげとしてはかなり楽しいじゃん!
Y:そう、本物は結構デリケートで気を使うけど、これだったらいくらグシャグシャにしてもハナかんじゃってもいいわ、って。
O:私らの発見した新・フィレンツエ名物で〜っす! うん、ポンテ・ベッキオ渡った通りの商店街(?)右側あたり。でも気をつけていると街なかでも見かけたし。
Y:私らが買うくらいだから、なかなかのもんですよ。さすが昔からの観光地ってことで、オノボリさんお騙し用もイタリアだとおっしゃれー!(褒めてるつもり?)。買った私らも、ハイ、気分良く騙されてみましたー!

Y:
しかし私フィレンツエは3回目だけど、着くとすごく「外国に来た〜!」って感じでワクワクするのね〜! だってミラノって雰囲気無いんだもん、ほんとただ出張って感じで。なんか、いいよね〜、フィレンツエ〜。
O:そう、ここはまるで別。だって世界中の人間が一番旅行したいところがイタリアで、イタリアで一番行きたい場所がフィレンツエってデータがあるくらいっすからね。
Y:さっすがー、でも嫌いな割にはよく知ってるね。古くても重苦しくないのがいいんだなー、で、河のほとりでボーっとしてると「ああ、ダ・ビンチもこうして眺めていたかも」なんて、珍しくこの私も悠久のロマンにひたってしまうのだよ。
O:あ〜ら、そんなこと思ったりすることあるんすかー、たまにはアーチストっぽいこともあるんだね。でもこの古い街で、今回のホテルにはビックリ!
Y:うん、もういきなしニューヨークにワープしたかと思っちゃった!!
O:今話題のフェラガモ一族のやっているホテル・チェーンの一つで一年前にOPENしたGALLERY Hotel Art(Lungarno Acciaiuoli2)。シンプル・シックな内装はまさにギャラリーのようだけれど、こじんまりしているので、気取った感じはあまり無くていいわね。
Y:部屋の中なんて、もうセンスいいったら! ニューヨーク・モダンにイタリアの小ワザが効いているって感じでニクイ〜、温かみがあるしね。もう私、超・気に入ったわん!
O:朝ゴハンのビュッフェも朝からケーキとかあっていかったっす。あと、すごく大きくて柔らかい煮たプルーン、ヨーグルトと一緒に食べるのだけれど、ここの自慢らしいよ。
Y:あつこさんたらもう朝からケーキ食べるんだからー。このホテル・チェーンは、ひとつひとつスタイルが違うそう。ロビーだけ行った Hotel Lungarno は、イギリス風のロマンチックな感じだったしね。 そう聞くと、つぎつぎ違うところに泊ってみたい気もしちゃう。しかし「食はトスカーナにあり」って言うけど、打ち合わせの帰りに街のフツーのカフェみたいなところでお昼に食べた時のカプレーゼ(モツアレラ、トマト、ルッコラのサラダ)のおいしかったことー!! 涙出そうだった、一人だったからこらえたけど。
O:野菜がほんとに濃くておいしいのよねー。イタリア嫌いの私めも、こればかりはたまらない魅力っす。
Y:ええっ? それとお買い物もでしょー?!
O:だってー、他にやること無いんだもんミラノってー。今回はおねーちゃまも長くいたからわかったでしょ? 
Y:ハイ、わかりましたです。ほんと仕事と食事と買い物すると、夜出かけるとことか余計なところが全然無いねー、ミラノって。だから早寝早起きなんてしちゃって、信じられないほど健康的な生活を送っておりやしたね。
O:だから私、ミラノには休養に行くような気分っす。
Y:仕事だけはしっかりしてくれろ!!
O:もちろんっす! じゃなきゃお買い物できないも〜ん!


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