Vol.12

2001/3/1UP


Y:
冬眠からさめた動物のごとく、久々にパーティに出かけることにしようかなー、っと。でもさ、相棒の大石がミラノへ行っちまったもんで、大石のプレスオフィスの留守をあずかる“ハリキリ元気な石井ちゃん”とお出かけすることにいたしやしやした。
I:ヨコモリさん、ホントにナオミ・キャンベル来るんでしょうかねー?
Y:いろいろ悪評高い人だから、来なくたって全然不思議じゃないよねー。
―――なあんてこと言いながら、実はこのパーティは、講談社の2月23日発売のモード雑誌「gli(グリ)」の創刊記念パーティ、場所は西麻布の“米荘閣”というところ。
Y:ギョエーッ! ここはいったいナンなんじゃー? 西麻布にこのような立派なお屋敷があったとは・・・、全然知りませんでしたねん。
I:す、す、すごいですね! なんか大使館のような・・・。
Y:こんなの個人宅だったりしたら、すごすぎて笑っちゃうわよねー!
―――ええ、そしてその通りでした。ここは、かの元・西武の社長、堤清二氏のご自宅だったそうです。まあ、いったいどうやってお住みになってたのかしらん、というくらいの、いやー、ゴージャス! 口では説明できまへ〜ん!
I:お庭もすごいですう〜〜! 兼六園みたいですよ〜。
Y:ほんと、ここが西麻布だなんて思えないわあ。箱根かなんかに来たみたい。
I:ご馳走もおいしそうですう〜。
Y:ほらほら、お仕事よ、知ってる人にごあいさつしましょ。終わったら記念写真撮ろうよー、やっぱりお庭でがいいかな。
I:なんか急に人がいませんよ。ひょっとして。
Y:ヤバイ! ちょっと2階かしらん。
I:あっ、あっ、ナオミですよ〜〜。
Y:し、しまった、出遅れた〜〜! 人ゴミで見えん〜!
I:あっ、もう帰るみたい。ああん、出ていっちゃった!
Y:あれーっ。ん、でも、なんでみんなゲラゲラ笑っているのお? 何がおかしかったのかしらん。
―――と、見逃した口惜しさに、まわりの人に事情聴取。「ステージに上がり、ほんの2〜3分インタビューに答え、さっさと消えた。」ということで、そのあっけなさに、みんな笑うしかなかったらしい。私らが見逃したといっても、ずっと見ていた人とそう変わらなかったようだす。
Y:ショート・ボブのアタマだけ見えたわ。
I:黒い革のジャケットにTシャツみたいでした。
Y:すごく人がいたから、どっちみちよく見えなかったかもー。でも、いらしたことは確かざんした!
I:どうせだったら、もっとよく見たかったですねー。
Y:そんなにサービス精神の旺盛な人ではないことは確かよね。ドタキャンしないだけ上等ってこと?!
I:あのインタビューしてた人って、ロバート・ハリスさん。
Y:ああ、J-wave の、あんな人だったんだぁ、声とイメージ違うなあ。
I:やっぱりパーティの時って、黒が多いですね。このワンピースにしてよかった(もち、PAULE KAです)。
Y:うんうん、ラベンダーがきれいですよん。ヨコモリは蛍光オレンジのようなフェイクレザーのジャケット。メーカー名はあまりにたびたび出てくるお安いメーカーなんで、言いませぬ。でもバッグは、今話題のロンドンの ANYA HINDMARCH のよ。パンプスはSergio Rossi 。履きやすいはずなのに、最近ほとんどスニーカーの生活だったから急に履くとアセるよー、けっつまづかないように注意せなー、情けねっす。
I:やっぱりLouis Vitton のグラフィティ・Tシャツは目立ちますねー。
Y:あ、VOGUE Japan などでご活躍のファッション・エディターの横井由利さんでした。こんにちわー! さっそうと半袖のTシャツ、かっこいいっすねー。いきなり聞いちゃお、ヴィトンのTシャツって、いくらくらいするんすかー?
横井さん:あら、これはね、パリのショーのインビテーション・カードと一緒に送られてきたんですよ。売ってないの。
Y:ああもうーっ、いいなーっ、特別なんだからー! あら、前にSUPURの面白いコラムをやってらして今度は 「gli 」でも連載をされるファッション・ジャーナリストの奥恵美子さんも同じTシャツ、でも全然違う“エリザベス”風(?)な感じの着こなしですねー。そのヒカリモノはアンティックですかぁ?
奥さん:ううん、このケープとスカートは MARNI でございます。このあいだの秋冬のコレクションで、
スカートも。あそこは古着みたいな感覚をちゃんと入れているところがエライ、と思っております。
Y:ヒエ−ッ、意表をついた組み合わせでやんすねー!
奥さん:ええ、私的には、今“ポストモダン”なコンセプトなのです。
Y:さすが奥さん、ロジカルっすー。(“ポストモダン”といえば、建築やインテリアで80年代に流行って、新しいものと古いもの年代や様式を超えて組み合わせるということでした。やっぱり80年代なのか、と、これは独り言)
Y:奥さん、私ね、その“ラクガキ”最初見た時 「こりゃ、なんだぁー、ヴィトンいい気になってハシャギ過ぎじゃん?」とか思ったの。ところが、“スティーブン・スプラウスの書”と聞いてビックリ! 私好きなデザイナーだったんで、それも今は消えちゃってる人だから。マーク・ジェイコブズの友情とセンスっていうわけ、泣けるわん。
―――知っている人少ないだろうけど、80年代にニューヨークで、一部にウケてた Stephen Sprouse という、Andy Warhol と親交があったり、BRONDIEDeborah Harry の服とかデザインしてた人っす。一時はブルーミングデールズにも売り場があって、ああ、蛍光色の迷彩柄パーカなんか、当時買うかどうか悩んで買わなかったけれど、買っておけば良かったなあ!
Y:ところで、ナオミは見えました? どうだった?
O:ううん、別に。私、インタビューしてるし。
Y:ああ、もうジャーナリスティックに仕事している人ってこれなんだからー。こっちはファッション業界に居てもジミなもんすよねー。別にナオミのファンではないが、とりあえず見たいぞ、って。
O:あ、そう、ウフフ。残念だったわねー。
Y:では、お二人に、ここに登場していただきました! アンド、スティーブン・スプラウスに敬意を表して!
(ナンのこっちゃ?!) 
―――と、西麻布の夜は楽しく更けて、ヨコモリは足が痛い。
Y:あら、石井ちゃん、おみやげ開けてる! なになにー?
I:RICHART(リシャール)のチョコレートですけど、ちゃんと gli って入っていますよー!
Y:RICHART と言えば、今いちばんトレンディーな(?)チョコだすねー。ステキ、ステキ。
―――そいでもって、「gli」は、ちゃんと次の日(発売日)に買いました。“マラーホフと新之助”の写真は美しかったっすー! 大人の女性が鑑賞できる男性の写真っていう感じ。モード誌だけれど、ちゃんと女性としての主体性が表れていると思いました。

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